お金や健康に関する記事を書くなら知っておきたい「YMYL」の話
YMYL(ワイエムワイエル)とは、Your Money or Your Lifeの頭文字をとった言葉です。
将来の幸福、健康、経済的安定、人々の安全に潜在的に影響を与える記事=お金や健康に関する記事を指します。
※YMCAはヤングマンです。
1.YMYLとは具体的に何か?
YMYLについては「General Guidelines」9ページで説明されています。
- 買い物・金融取引:ネットショッピング、ネットバンキング
- 投資情報:投資、税金、退職後の計画、住宅購入、学費、保険
- 医療情報:健康、医薬品、病気、メンタルヘルス、栄養
- 法律情報、公的情報、その他(車の安全情報とか)
※著者の英語レベルが低いので正確に知りたい方は原文をご覧ください。
アフィリエイト的には
- 金融系(例:カードローン、投資、クレジットカード、保険)
- 健康系(例:脱毛、ダイエット、美容)
- 法律系(例:債務整理)
あたりは既に影響を受けていたり、今後受けるかもしれないと言われているジャンルです。
特に金融系は健康アップデートの次は「金融アップデート」と言われているジャンルです。
なお、もっとYMYLについて知りたい方はおおきさんの次の記事をおすすめします。
参考:YMYLとE-A-TとSEO攻略方法 | SEO対策の森
2.Googleの健康アップデート
2017年12月6日はGoogleによる「健康アップデート」が行われ、多くのアフィリエイターさんが地獄を見ました(みんな健康系でアフィリエイトしてたのね)。
医療や健康に関連する検索結果の改善について
2017年12月6日水曜日
Google では、今週、日本語検索におけるページの評価方法をアップデートしました。
この変更は、医療や健康に関する検索結果の改善を意図したもので、例えば医療従事者や専門家、医療機関等から提供されるような、より信頼性が高く有益な情報が上位に表示されやすくなります。
本アップデートは医療・健康に関連する検索のおよそ 60% に影響します。
Google では、医療や健康だけに限らず、今後も継続的に検索の改善に取り組んで行きます。
出典:Google ウェブマスター向け公式ブログ「医療や健康に関連する検索結果の改善について」※赤字は著者
医療・健康系のアップデートが行われた背景の1つとして、DeNAのキュレーションサイト「welq」が起こした事件があります。
キュレーションサイト=まとめサイト、特定のテーマに絞った情報を整理したサイト
「肩こりの原因は守護霊」というトンデモ記事や、「死にたい」で検索するとなぜか転職アフィリエイトに連れていかれるというウソみたいな記事が検索上位を取っていました。
参考:WELQとは (ウェルクとは) [単語記事] – ニコニコ大百科
welqをはじめとするDeNAのキュレーションサイトはその後社会的な批判を受けて自滅=自主的に閉鎖しましたが、他にも問題になっているサイトは多くありました。
2017年12月の健康アップデートでは、そういったサイトも含めて一斉に吹き飛びました。
アフィリエイトサイトも検索順位が一気に落ちて稼げなくなりました。
現在も「医療・健康系」の記事については他のキーワード以上にGoogleの規制がかかっているので、医療・健康系の記事を書く時には順位が上がらず「見えない力」を感じるかもしれません。
それくらい医療・健康系は「YMYL」の中でも「Life(生命・人生)」にかかわるジャンルとして検索上位にするのが難しくなりました。
2018年はいろんなアフィリエイターさんに「どのジャンルが良いですか?」と聞くと、「健康以外ならなんでもいい」とよく返ってきました。
3.専門知識とSEO知識
YMYLを考えるにあたり、
- (そのジャンルの)専門知識
- SEO知識
のあるなしで分けてみます。
3-1. 専門知識はないけどSEO知識があるパターン
welqのように専門知識はないけどSEO知識があったために検索上位にいったパターンです。
一言で言えば「有害な情報」です。
※右下の「無害」は被害がほぼないの方が正確ですが…
Googleの健康アップデートが狙ったのはこのあたりかと思います。
専門知識がないなら、自らが勉強・経験する、あるいは、専門家の協力を得て(名前だけの監修とかではなく)良いコンテンツが作られることを祈るばかりです。
ちなみに医師でもないのに医師だと名乗ってアフィリエイトをしていたゴリラがいましたが、論外です。
お金のために「やってはいけないこと」の線引きができなくなった例と言えます。
参考:医師と詐称しブログで健康食品を販売していた男性、現在の胸中を語る「将来への備えが…」
第2、第3のゴリラがあらわれないことを祈るばかりです。
3-2. 専門知識はあるけどSEO知識がないパターン
逆に専門家によくあるのが専門知識はあるけどSEO知識がないパターンです。
一言で言えば「残念な情報」です。
どんなに良い情報だとしても、見えなければないのと同じだからです。
このブログ講座は「自分の好き・得意・趣味」を活かすことをモットーにしていますが、このうち「自分の得意」というのはまさにこういう専門知識を持っている状態を想定しています。
せっかく専門知識をもっているのにSEO知識がないばかりにその情報が多くの人に活用されないのは非常に残念なことです。
健康アップデートの際、Googleは次のようなメッセージを残しました。
もし、あなたが医療関係者で、一般のユーザーに向けたウェブでの情報発信に携わる機会がありましたら、コンテンツを作る際に、ぜひ、このような一般ユーザーの検索クエリや訪問も考慮に入れてください。
ページ内に専門用語が多用されていたら、一般ユーザーが検索でページを見つけることは難しくなるでしょう。
内容も分かりづらいかもしれません。
ユーザーがあなたのサイトを見つけるために使用している検索キーワードのリストは、Search Consoleで確認することができます。
もし、そのリストが専門用語で占められていたら、一般ユーザーの多くはあなたのサイトの情報にアクセスできていない可能性があります。
出典:Google ウェブマスター向け公式ブログ「医療や健康に関連する検索結果の改善について」※赤字は著者
要約すると「自分たち(Google)だけでは限界があるから専門家の人も一般の人向けのキーワードで分かりやすく記事を書いてよね」ってことです。
どれだけ専門知識があって良い情報だとしても、分かりにくい専門用語を駆使して説明してしまえば、一般ユーザーは見る気がしません。
welqのように「一般ユーザーが検索する用語(検索クエリ)」を効果的に配置すれば、「肩こり 原因」で検索したら「肩こりの原因は守護霊」みたいな記事がトップに来てしまうのです。
もしあなたが専門家なら、このGoogleのメッセージをもとに一般の人向けにわかりやすい記事を書いていただくことを切に願います。
※Search Console(サーチコンソール)の使い方については次の記事をお読みください。
終わりに
YMYLのジャンルは「読んだ人」に何らかの影響があります。
たまにYMYLジャンルで稼ぎたいという相談をいただきますが、慎重に書くべきジャンルと言えます。
ブログの先には「人」がいます。
その情報が間違っていれば、その人がお金を失ったり、健康に影響があるかもしれません。
少なくともYMYLのジャンルで他のサイトやブログの記事をコピペして適当な記事を書くのは「読者が危険」です。
逆にそんな責任は負えないということであれば、YMYL以外のお金や健康に影響を与えないジャンルを選ぶのも1つの手です。