「なぜ借金返済は経費にならないのか?」への回答
こんにちは。クロネです。
以前、会社の社長と一緒に銀行へ出かけて、融資の交渉をする仕事をしていました。
その後、借金を返済するときに
「なぜ借金返済は経費にならないのか?」
と社長のがっかりした声をよく聞きました。
例えば5,000万円借りて、
毎月60万円ずつ(適当)返済する
なら、
「毎月60万円も払っているのに、なぜ経費にならないのか?」
という感じです。
この質問は、簿記3級程度の知識があれば出てきません。
しかし、企業経営者が全員、簿記3級の知識があるかと言えば、そんなことはありません。
むしろ「決算書の数字」が良くても「手元の現金」がなくなれば黒字倒産もありえます。
手元からお金が出ていく感覚の方が優先されるのもある意味、自然なのかもしれません。
簿記という共通言語がないと、このあたりは難しいですね。
自分もいろいろ説明を試みたのですが、最終的には
「でも、借金したときは売上になっていませんよね」
と説明していました。
すると、
「・・・ああ、そうか。お金が手元に入ってくるときに売上になってないから、それを返しても経費にならないか・・・」
と考えはじめます。
借金したときは「売上にならない」のに、
返済したときに「経費になる」なんて、
都合の良すぎる話はありません。
税金の計算もからめると、さらに異常なことを言っていることに気づきます。
- 借金=売上にならない=税金がかからない
- 返済=経費になる=税金を減らせる(←んなわけない)
じゃあ、借金しまくって、返済しまくれば、どんどん税金は減りますね。
・・・そんなことはありません。
- 借金=売上にならない=税金がかからない
- 返済=経費にならない=税金を減らせない
借金しても返済しても税金には影響しないわけです。
いえ、1つだけ経費になるものがありましたね。
それが「利息の支払い」です。
借金の返済といっても、元本部分と利息部分があります。
- 元本の返済:経費にならない
- 利息の支払い:経費になる
もしかすると、
「なぜ借金返済は経費にならないのか?」
という質問が出てくるのは、元本の返済と利息の支払いという2つの異なる性質の取引が含まれているからかもしれません。
いろいろ思い出しながら書いてみましたが、今は借金しなくてもスモールビジネスで稼げるので、「ひとり」でやる分にはとても良い時代だなと思うところです。