なぜその経営者はポンジスキームに騙されたのか?
こんにちは。クロネです。
自分がポンジスキームに出会ったのは、とある経営者が騙されているのを止められなかったときでした。
ある日、「こういう投資話があってね」と相談を受けて、
海外の●●に
ン千万円投資すると
年利5%でかえってくる
みたいな、今思えば典型的なポンジスキームでした。
本業がヤバいときに誘惑される
当時、リーマンショックの影響で本業が赤字でした。
その経営者は何か他の収入源をと思ったのでしょう。
そんな投資があるんだろうか、と思って調べるうちに、
「ポンジスキーム」
という言葉に出会いました。
本業がヤバいときになぜかこういう儲け話がやってきます。
ふつうなら、経営者にとってお金は本業に投資するのが最もリターンが高いはずです。
しかし、外部環境で本業がどうしようもなく、本業よりもリターンが出せる副業を見て、心が動いてしまったようです。
周りが止めれば止めるほど、頑固になる
何度かその経営者と話をして、投資をやめるようにアドバイスをしました。
しかし、話をすればするほど、経営者自身は
「自分の判断が正しい」
と頑固になってしまい、都合がいい面だけを見るようになります(自分の実力不足でもありました)。
本業がうまくいっていないので、余計にダメでした。
自分は、いくつか投資について不自然な点を指摘しましたが、最初から想定問答集があるように、答えが返ってきました。
まるでその経営者は「自分に言い聞かせる」ように、
「大丈夫、これは大丈夫」
と言い続けました。
最初はキッチリ分配金が入る
結局、契約してン千万円を投資。
その後、分配金が期日にきっちり入金されて、
「ほらみなさい」
と言われました。
そして、3回目の入金が遅延しました。
その経営者が慌てて電話をかけると、相手の手違いと言われ、少し遅れて入金されました。
しかし、4・5回目も遅れ、6回目から連絡が取れなくなりました。
その後は裁判にもなりましたが、取り返せたお金はわずかでした。
ポンジスキームがお金以外に奪うもの
ポンジスキームはお金を奪うだけではありません。
騙されたことについて考え続けるので、精神は削られるし、時間も奪われます。
騙されたショックで、裁判の間もずっと暗い顔をしていました。
本業にも身が入らず、なんの良いこともありませんでした。
一度お金を渡してしまったら最後です。
逆に言えば、詐欺師からすれば
お金さえゲットしてしまえば勝ち
ということになります。
おいしい話は自分のところに来ません。
自分のお金を守れるのは、自分だけです。
他人がもってくる儲け話も注意
例えばGoogleコアアプデで外部環境が変わって稼げなくなったからと言って、変な投資話には、乗らないようにお気をつけください。
これはポンジスキームだけではありません。
他人がもってきた儲け話に乗って、自分の専門外・領域外の事業にお金をつっこんで失敗したのも見ています。
【今日のおすすめ】
原作は『正直不動産』の夏原武先生、作画は『LIAR GAME』や『ONE OUTS』の甲斐谷忍先生による『カモのネギには毒がある 加茂教授の人間経済学講義』がおすすめです。
ポンジスキームをはじめ、お金を搾取する仕組みが紹介されているのでぜひ「カモになる前」にお読みください。
カモになったと気づいたときは、だいたい手遅れです。